薬学部の4年制の『薬科学科』と6年制の『薬学科』迷ったときは?

工学部に行かれて修士まで出た後、民間で研究職を経験し、
その後薬学部に入学されたYさんの話をちょっとしたいと思います。

その前に、薬学部の4年制の薬科学科と、6年制の薬学科の違いなのですが、
簡単にいうと、4年生の薬科学科は研究者養成を目指すために創られた学科であり、
6年生の薬学科は薬剤師になるための学科です。

経過措置として、H29年の入学者までであれば、4年制でも、その後2年の修士を
出た後、所定の単位を取れば薬剤師国家試験の受験資格があります。

さて、上記の方ですが、迷ったら間違いなく『6年制の薬学科へ行け』との
ことでした。

国立であれば、4年制の薬学科へ行った後、2年間、博士前期過程(修士課程)
に行き、民間企業や行政機関で、研究職に就くことは可能です。
更に、博士まで行き、アカデミックポスト(大学教員)を目指すことも可能です。

ただし、もし就職で失敗した場合、薬剤師免許はないため、途方に暮れてしまう
ことがあります。

また、転職しようにも、職場により専門性が異なるため、前回の職歴が活かせず、
転職できない、ということも考えられます。

もし、職場に嫌な上司がいた場合、転職できないのはとても辛いことです。

一方、6年制の薬学部なのですが、こちらは、国家試験に合格し薬剤師になることが
目的ですので、うまくいけばストレートで薬剤師免許がもらえます。

薬学部6年制は、工学部や理学部の修士課程と同等の学力とみなされるため、
最短3年、4年で博士課程を卒業することもできます。

ここで、民間企業の研究職や、アカデミックポストも狙うことも出来ますが、
もし失敗した場合、薬剤師国家資格があると、病院、薬局、その他民間企業など、
年収500万円以上の収入を得る仕事に就くことが出来ます。
(高学歴でも全く就職に問題ありません)

いざというときの、保険が強いわけですね。
また、薬剤師は、転職にも非常に強い資格といわれ、全国どこでも就職
可能です。

また、大学院博士課程でも、薬剤師免許があれば高時給でバイトが可能です。

研究者になるのには、運もありますが、薬剤師免許がある分、不安定なポスドク
の身分でも長く続けられることができ、その間に論文を沢山執筆し、アカデミック
ポストを狙いやすくなります。

したがって、保険をかけるなら、間違いなく薬学科のほうがお得、というのが
彼の持論です。

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