大学病院の就職状況
2012年より、ついに6年制の薬学部卒業生が活躍し始めました。
かつて、病院薬剤師への就職は狭き門でした。しかし、地方の国立大学付属病院では2次・3次
募集を行い人員を確保するほどの売り手市場という状況が存在しています。
そこで、その要因や病院での薬剤師業務について少しご紹介したいと思います。
ここ数年、薬学部が6年制になり病院での実習が義務付けられたことで、病院薬剤師を希望する
薬学生が増加傾向にあります。
実際に、日本病院薬剤師会が行った調査では、病院に就職する学生の割合が4年制時は約20%
だったのに対し、6年制時は30%超へ増加したという報告がなされています。
これまで、調剤薬局と比べて病院は、求人情報が出る時期が遅かったため、学生は病院より
調剤薬局を選ぶ傾向が強かったのですが、最近では改善され、早い時期に求人募集を行う
大学病院も増えてきました。
とはいえ、各大学に求人を出しても、大都市圏は別として地方の大学病院ではなかなか人が
集まらず、2次・3次募集をしている状態です。
また、病院では毎年退職する薬剤師がいるのに加え、他病院等への異動もあるため、毎年ほぼ
一定数の求人があります。
さらに、平成24年4月から病棟薬剤業務実施加算(薬剤師が病棟で薬剤業務を一定以上実施
している場合に対する評価)が診療報酬に新設されたことにより、薬剤師を全ての病棟に常駐
させようとするとその数はまだまだ足りず、依然として需要過多な状況です。
すなわち、今後も大学病院が多くの薬剤師を求める傾向は続くでしょう。
一方、給料に関しては病院薬局より調剤薬局の方が高いということはよく言われています。
確かに、初任給などは調剤薬局の方が高く、地方に行けばいくほど賃金格差は大きくなる
傾向にあります。しかし、生涯賃金を比較すれば病院勤務が劣るということはなく、どちらに
勤めてもそれほど明確な差はありません。
それに加え、病院薬剤師は調剤薬局と比べて業務内容が多岐にわたるため、経験を積みたいとか
スキルアップを目指したいといった薬剤師にとっては、十二分にやりがいのある仕事ではない
でしょうか。
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