調剤薬局の就職状況

2012年より薬剤師国家試験受験資格が6年制になりました。

6年制移行前後の薬学部総定員数を比較してみると、移行後の定員はおよそ約1.4倍に増加し、
その結果、薬剤師の供給過多になると懸念されてきました。
しかし主な就職先である調剤薬局の採用状況は、特に地方や中小の薬局でその予測に反し、
まだまだ薬剤師の数が不足しており、いまだに売り手市場が続いています。

薬剤師の求人数を比較しても、調剤薬局の求人数が1番多く、その次にドラッグストア、
最後に病院と製薬会社がほぼ同数で並んでいます。

また、男女比に関しては、薬科大学・大学の薬学部の男性の割合はそれほど低くはありませんが、
調剤薬局薬剤師は女性に人気が高く、職場は圧倒的に女性が多いのが現状です。

次に調剤薬局薬剤師の収入に関してですが、次のような特徴があります。
それは初任給が他の業種より高く、昇給があまり無いということです。
調剤薬局の薬剤師の平均年収は、調剤薬局の規模や給与規定により差はありますが、
概ね400万円〜600万円が一般的です。

そこで、調剤薬局薬剤師として高収入を目指す場合は、

 1.薬剤師不足の地域で働く
 2.管理薬剤師になる
 3.薬局経営をする

などを検討する必要があるかもしれません。

また、調剤薬局が特定の診療所(クリニック)の処方箋をメインに受け付けている場合、
その診療所(クリニック)が処方する薬を、調剤薬局でも主に扱うことになるので、
同じ薬局で働き続けると、薬剤師としてのスキルが向上しないということも起こりえます。
その結果、より高いスキルを身につけるために、他の薬局への転職というケースもあります。

そこで、調剤薬局薬剤師を目指す場合は、先ずはじめに大手もしくは中小の薬局のどちらを選ぶかが
重要といえます。

大手のメリットはやはり教育になります。すでに多くの薬剤師を育ててきた大企業ならではの
効率の良い教育方法で、一人前の薬剤師へといち早い成長も見込めるでしょう。旺盛な出店に
備えるため人材の育成が急務であるそれらの企業の研修は素晴らしいものも多く、求めるスキルが
身につきやすい環境
であることは間違いないでしょう。さらに給料に関しても、中小に比べて
伸びしろは大きいといえるでしょう。幹部クラスやエリアマネージャーになれば年収800万円以上
珍しくはありません。

一方、中小の薬局のメリットは、地域限定で出店している場合が多いため、転居を伴う大きな
異動がないということがいえます。また、会社規模が小さければ小さほど、地方へ行けばいくほど
給料などの待遇面は条件が良くなることが多いです。安定性と働きやすさは公務員並みと
言っていいかもしれません。個人医院の門前薬局となれば完全週休2日制、残業なしも
珍しくありません。福利厚生もしっかりしており、産前産後の面でも安心して働ける体制が
整っており、職場に圧倒的に女性が多い理由はそこにあるといえるかもしれません。

このように、同じ調剤薬局薬剤師でも規模や地域によってかなり違いがあることがわかります。
これらを十分に理解したうえで、希望する条件に沿った就職・転職先をさがしてみては
いかがでしょうか。

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