製薬会社の就職状況

製薬会社で薬剤師が就く職種の中で、もっとも多いのがMRです。
メディカル・リプレゼンタティブの略で、医薬情報担当者のことを言います。自社製品に関する
品質・有効性・安全性などの情報を病院の医師や薬剤師に提供し、幅広い場で自社の製品を扱って
もらえるようにするのがMRの役割です。

製薬会社に勤める薬剤師の給料・年収ですが、一般的には高いイメージがあり、実際にMR職の
場合、30代後半の大手製薬会社の平均年収は1,000万円といわれます。

一方、MR職以外の内勤職等では、売上げなどの成果が見えにくいこともあり給料は、初任給で
22万円〜25万円、初年度の年収は300〜350万円が一般的で、他業種と比較してもそれほど
高くはありません。しかし、その後の給料の伸びが大きいため、生涯年収で考えると差がつく
傾向にあります。

ただし、職種によっても異なるので平均年収は400万円〜800万円とある程度ひらきがあります。

また、出身学部も以前は薬学部が主体でしたが、現在は文系からの採用も増加しており、
その割合は全体の50%以上になっています。

MR認定試験についても制約の緩和が見られ、これまで製薬企業またはCSO(MR派遣企業)に
所属する必要がありましたが、平成20年度より受験資格が一般の社会人にも開放されています。

このことからも、MRに関しては薬剤師が特に有利ということは少なく、私国立の別も特に
ありません。

また、研究職が希望の場合は、薬学部である必要はありませんが大学院は必須です。
ただし、募集人数が圧倒的に少ないので難しいといえます。

業務に関しては、膨大な医薬品の情報を整理して医師や薬剤師に伝えるのがMRの役割になります。
薬に対する専門的な知識を要する製薬会社の業務は、技術面よりも知識の充実が必要で、
それに加え、相手とのコミュニケーション能力も求められるでしょう。

このように、多様な役割を担うMRは一般的に仕事が大変で、肉体的・精神的なストレスも多く、
調剤薬局などでの勤務と比べるとかなり特殊な職種といえます。

しかし、その分見返りも多くやりがいのある魅力的な仕事であることは間違いありません。
そのことをよく理解した上で、就職先として選択するとよいでしょう。

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